研究室のありのままをありのままに

研究室という狭い空間で起こった面白いことだけを書き留めるやつ

τかぎ抄読会リマインド小説風前編

7月も終わりにさしかかる。朝10時にもかかわらず外は相変わらず蒸し暑い。

今日の抄読会も熱い議論が繰り広げられる、そんなことを思わせるような天気であった。

 

 

いつもと変わらぬメンバーが席に着く。

普段と異なることといえばm山さんがいないことぐらいであろうか。

今日は「それって年齢差あるんですか!!??」という質問は飛んでこなさそうだと、τかぎはほっとした表情を見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

先生が来た。

 

 

「んじゃ〜はじめよっか」

 

 

 

 

この声を聞かないと抄読会は始まらない。

 

 

いつもと変わらぬ先生の言葉でついに抄読会の火蓋は切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

τかぎ「え〜〜〜〜それじゃあ始めます」

 

 

 

この時僕は1つ心に決めた。

 

「今日のτかぎの発表で絶対に笑わない」

 

特に理由はないが、笑うと負けみたいな感じがしたので何が来てもクールに装ってやると決めた。

 

 

τかぎ「今回僕が読んだ論文は『○▼※△☆▲※◎★●○▼※△☆▲※◎★●』でして〜〜〜…」

 

 

 

 

おっと危ない

 

早くも毎回おなじみ

〈英語読むのが下手ならタイトルを無理して読まなくてもいいのになぜかわざわざ読むけど下手やから結局何言ってるかわからん〉攻撃を繰り出してきた。

始まり直後なのでガードが甘かった。しかしτかぎの抄読会は初めてではない。

ここは腕をつねることでしのいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

τかぎ「え〜〜このタイトルなんですが、僕には意味がわからないので『今!』考えます。少々お待ちください」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんなんだ

 

 

なんなんだこいつは

 

待てと言われてしまったので待つしかない。

まだ序盤だ、ここでいやいやいやいやいやとか言う風に突っ込むにはまだ早い。周りのみんなもそう感じていたに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

長い沈黙

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

τかぎ「え〜〜それではイントロにはいります」

 

僕にはわかった。

周りの全員の頭のなかになんでやねんと言うつっこみが入るのを

 

 

全く意味がわからない。

 

僕は考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうか

 

そういうことか

 

 

 

 

τかぎは伝えたかったのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが本当の『時間遅れ』なのだ」と

 

 

 

みんなττ言うて馬鹿にしてくるけど

 

 

 

 

本物のτを見たことがあんのかと

 

 

 

そういったメッセージだったのだ

 

本物の時間遅れτを味わうことができた。

本物の時間遅れがこんなに腹立たしいものだとは思わなかった。初めての経験をありがとうτかぎ。

 

 

 

 

 

 

 

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前編終了